今季も広島のクリーンファイトが光る。レッドカードは1枚もなく、警告20はリーグ最少。Jリーグ発表の「反則ポイント」はマイナス7Pで、J1の18クラブ中唯一マイナスとなっている(2位は甲府で2P)。森保監督が就任した12年以降、リーグ戦合計127試合で退場は1度だけ。13年12月の最終節でDFファン・ソッコが警告2枚で退場したのを最後に59試合連続レッドカードなし。このままなら4年連続の「フェアプレー賞高円宮杯」受賞は間違いなさそうだ。

 カードを受ける回数が少なければ出場停止が減り、毎試合のようにベスト布陣で臨める。DF水本がフィールドプレーヤー最長の連続試合フルタイム出場を達成したのは象徴的。勝手知ったる不動のメンバーで戦い続けることで、攻守両面の連係が高まる好循環だ。

 そこに3年目のFW浅野、野津田ら若手が台頭してきた。毎年のように主力が移籍しながら少数精鋭で成果を残せるわけだ。今季は年間勝ち点、第2ステージともに2位と年間王者を狙える位置につける。12、13年にはリーグ連覇を達成。反則の少なさに、森保監督率いる広島の安定した強さの理由が垣間見える。

 ◆反則ポイントの算出 <1>退場1回で3P<2>同一試合における警告2回の退場も1回で3P<3>警告1回で1P<4>警告のうち異議、遅延行為は別途1P<5>出場停止1試合で3P<6>大会の終盤で残り試合数よりも出場停止試合数が多い場合は出場停止試合数分を加算<7>ベンチにいる交代要員、チームスタッフに対する処分も加算の対象<8>他大会の影響で出場できない試合については加算しない<9>警告、退場、退席がなかった試合は1試合で3P減。今季のフェアプレー賞は34P以下、アンフェアなプレーに対する反則金は103P以上が対象。前後半のキックオフ時刻遅延分数も加算。

【石川秀和】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「データが語る」)