<W杯アジア最終予選:日本2-0タイ>◇B組◇6日◇タイ・バンコク

 もどかしい試合に見えたかもしれないが、万全ではない中で日本が勝てた意味は大きい。選手の体調はUAE戦が50%、この日は70%程度にしか上がっていなかった。加えて高い気温に湿度。選手にしか分からない過酷な環境だった。実力で完全支配しながら1-0で終わるとストレスを抱え込んでいたが、2-0にしたことで精神的にも救われた。選手にとって、この差は大きいものだ。

 もちろん組織として展開力で揺さぶりをかけるのがスローになり、タイに対応されたことは反省点。パスを1人とばすなど不規則な攻撃も必要だった。勝ったが満足できない部分でもある。その中でも収穫は原口だろう。酒井宏の右からの崩しを、完全に狙ってのゴールだ。おとり役の本田の姿を分かった上で冷静に決められた。守備場面での運動量といい、最も評価されてもいい選手の1人だ。(日刊スポーツ評論家)