<W杯アジア最終予選:オーストラリア1-1日本>◇B組◇11日◇メルボルン

 勝ち点3を奪えた5日前のイラク戦よりも、達成感のある試合だったかもしれない。この一戦の目的はあくまで引き分け以上。敵地で勝ち点1を取れたことは大きい。前半から守備優先でリズムを作り、中盤でのボール奪取から速攻という共通の約束事を守った。

 具体的に言えば左サイドは原口と槙野、中央は本田と香川、右サイドは小林と酒井高が徹底的に2人がかりでチェックし、ボランチの長谷部と山口が危険なエリアに入った瞬間にボールを奪い取りにいった。原口の先制点の場面も原口がパスカットし、長谷部からの速攻が実った。愚直に守備をしてつかんだ引き分けと言っていい。DF丸山を前線に投入したのも守備を混乱させたくなかった狙いが見てとれた。

 90分間を通してカウンターでアクセントを取り続けられる選手が不在だったのが、今後の課題になる。(日刊スポーツ評論家)