<W杯アジア2次予選:日本3-0シリア>◇E組◇8日◇マスカット

 前半は良くなかったが、後半はパスもつなげるようになった。本田のPKが決まってからは精神的に楽になったようだったな。ただ、この試合に勝ったからといって大喜びするのはどうかな。実力的には、日本とシリアの間には絶対的な差があるのは間違いない。日本が本来いるべき場所であるE組1位になった、ただそれだけだと思う。

 もともとこの2連戦では、次の親善試合イラン戦の方が「腕試し」としては参考になるだろうと思っていた。次戦へ向け、シリア戦でも露呈した日本の課題は両サイドの攻撃だ。右サイドバック(SB)酒井高のクロスは精度を欠いていたし、左SB長友も本来の動きではなかった。

 今日は本田が真ん中に入ってプレーを組み立てるようになって、ようやく機能しはじめたが、相手が強くなればなるほど、それだけでは足りない。両サイドのレベルアップは不可欠になるだろう。

 それからこのチームには香川、清武、宇佐美、原口と似たタイプがそろっている。先を見据え、今後は調子が良さそうであれば、豊田(鳥栖)やハーフナー(オランダ1部デンハーグ)ら、ターゲットマンを呼ぶことを考えてもいいだろう。(日刊スポーツ評論家)