<国際親善試合:日本0-2ガーナ>◇30日◇日産ス

 選手は自分がワールドカップ・メンバー23人に入れるかどうか意識し過ぎたのか、いつもと違うポジションに集中し過ぎたのか、ぎこちなかったな。組織的なサッカーを目指したわりには理解不足。W杯に何度も出たベテランも、のまれてしまった。皮肉っぽく言えば、新しいシステムに対して“コミュニケーション不足”だった。

 これで23人選ぶのは大仕事だ。当落線上の選手で、この試合ではい上がった選手はいない。本田は本来の力、ネームバリューからは「S級の出来」とは言えない。香川も出て10分間はよかったけど、外しまくって、その後消えた。岡崎は何もできなかった。そこまでコンディションが整っていない選手が多すぎた。

 こうなると最もアピールしたのは不動のメンバー、長友や吉田らになる。またはベンチに残った乾や浅野が得したかもしれない。

 西野監督の暗い表情が物語っていた。日本代表は以前からシュートを外すことが多いのだから、何もいちいち頭を抱えなくても…。いかに描いていたサッカーにならなかったか、伝わってしまった。果たして、メンバー発表の場には明るい表情で出て来るだろうか。(日刊スポーツ評論家)