まさに“愛されキャラ”! そんな存在が、川崎FのMF中村憲剛(34)だと思います。ピッチ内では、中盤から試合を組み立てる、唯一無二の存在と言えます。主将として選手ミーティングを提案したり、若手選手に声をかけたり。チームをまとめる、頼れるベテランなのは誰もが知っていること。

 一方で、後輩から突っ込まれる“いじられキャラ”でもあるのです。事件は4月18日、翌日のリーグ戦のアウェー仙台戦に向けて、選手バスで出発する直前に起こりました。遠征の移動の際は、選手やスタッフ全員がオフィシャルスーツに身を包み、ビシッと決めて行きます。しかしスーツ姿でクラブハウスに到着した中村を見た、FW小林悠(27)が笑いだしたのです。 その理由は…今年のオフィシャルスーツのネクタイは、濃い青。なのに、中村だけ昨季バージョンの水玉ネクタイを締めている! どうやら、自宅から間違って着けてきてしまった様子。MF森谷賢太郎(26)からも「こんな間違いします!?」と指摘されていました。その後、すぐに加奈子夫人に連絡。自宅から今季のネクタイを持ってきてもらい、セーフ。選手バスの出発にも間に合いました。

 ナビスコ杯1次リーグ、アウェー神戸戦の前日、4月21日には、スーツのジャケットにつけるピンを忘れ、あわててロッカールームに取りに行く姿がありました。本人は「ただ俺が忘れてるみたいだから」と恥ずかしがっていましたが、そんな一面もキャラクター。ピッチ内でのしっかり者イメージの一方で、おちゃめな姿も併せ持っているのです。だからこそ、ケンゴさんは愛されキャラなのだと思います。【保坂恭子】


 ◆保坂恭子(ほさか・のりこ)1987年(昭62)6月23日、山梨県生まれ。埼玉県育ち。10年入社。サッカー担当は4年目。今季は松本、川崎F、湘南を担当。最近の悩みは肌の乾燥。