日刊スポーツで「本田担当」を務める益子浩一記者がW杯アジア2次予選カンボジア戦後に、東南アジアからイタリア・ミラノに戻るACミランの日本代表FW本田圭佑選手(29)を独占取材しました。

 本田選手の胸の内を引き出した記事は19日、20日付紙面で大きなスペースを割いて報じられ、ニッカンスポーツ・コムにも掲載されています。

 第1回は(https://www.nikkansports.com/soccer/world/news/1568063.html)

 第2回は(https://www.nikkansports.com/soccer/world/news/1568485.html)


 真実は、この記事の中にだけあります。


 イタリアではつい最近まで、本田選手が移籍を志願したことになっていました。5日に一般紙コリエレ・デラ・セーラが「ミランの本田はガリアーニ副会長と話し、来年1月に移籍させてほしいと頼んだ」と報じたことが発端となり、他のメディアが追随。すっかり既成事実化していました。

 直後に同副会長がクラブ公式番組のミランチャンネルでこの報道を否定したにもかかわらずです。

 イタリア発の情報として、日本でも報じられました。ただ、それらの記事には、本田選手の言葉はひと言もありませんでした。移籍志願したのかどうか? それは今回の連載の第1回を読んでいただければ分かると思います。

 イタリアでの記事が日本でも引用され報じられています。もちろん、その逆も。この本田選手の発言を報じた日刊スポーツの記事は、イタリア国内にも伝わりました。

 情報サイトのミランニュースの記事を始めとして、19日付ガゼッタ・デロ・スポルト電子版にも引用されました。さらに、国際サッカー連盟(FIFA)の公式サイト内でもセリエAのニュースの1つとして報じられました。

 多くの選手が海外に出て行きサッカーの世界は今まで以上に小さく、狭くなっています。国境や時差に関係なく、選手のコメント入り記事が世界中に拡散するようになりました。

 日本をベースに仕事をしていても、サッカーという「世界」に接しているわけです。海外組が増え、選手は世界基準で仕事をしています。私たち記者も、世界を意識した仕事をし、より多くの真実、読者の皆さんに訴えかけることのできる記事を書き続けていきたいと思っています。【八反誠】


 ◆八反誠(はったん・まこと)1975年(昭50)岐阜県生まれ。98年入社。名古屋でアマチュア野球や一般スポーツを担当し、06年からサッカー担当に。途中、プロ野球中日担当も兼務。14年1月から東京勤務。日本協会と横浜を担当。