3359。一体何の数字か分かりますか。答えは、13日のJ3開幕戦・G大阪-YS横浜(吹田スタ)の観客数です。今季から新たにG大阪、C大阪、東京のU-23(23歳以下)が参加。3クラブは若手育成へさらに力を入れます。

 取り組み方は各クラブさまざま。G大阪は基本的にトップチームと練習時間は別。午前にトップが、午後からU-23が練習。若手GKは2部練習というパターンが多いです。トップが紅白戦を行う時や負傷者が続出した際に調整を図ります。

 例えば今季ユースから加入したU-19日本代表DF初瀬。J1では既に2試合に出場しています。両サイドバックをこなせる初瀬は、日本代表DF藤春や韓国代表DFオ・ジェソクの欠場時に代役を務めました。しかし、主戦場はJ3。トップ定着にはまだまだU-23でのアピールが必要です。長谷川監督は基本的にトップに専念。練習試合を視察したり、見られない時は映像で状態を確認しています。

 ちなみに、キャプテンは試合ごとに変わります。U-23実好(さねよし)監督が指名した選手がキャプテンマークを巻き、臨みます。

 C大阪の場合は、U-23を「SAKURA NEXT」と命名し、完全別チーム扱い。練習時間だけでなく、クラブハウスに設置されているロッカーも別。開幕前のキャンプもそれぞれ別場所で行いました。U-23は高知で合宿しましたが、トップと違って厳しい環境。同所まで約5時間リクライニング機能もないマイクロバスで移動しました。

 合宿中は朝6時から約1時間練習。朝食を済まして9時から再び練習。午後からまた練習を行うという3部練習で基礎体力から徹底的に鍛え直しました。監督は昨季までユースを率いていた大熊裕司監督。U-23の主将DF小暮は「ユースに戻ったかと思うくらいキツかった。でも『ここからはい上がってやる』という気持ちで頑張るだけです」と話していました。

 同じようにG大阪U-23のMF堂安も「『見返したい』という気持ちでやっている」と開幕戦のあと意気込んでいました。U-23の選手に共通しているのは「反骨心」。絶対にトップで活躍したいという思いがプレーに表れます。実際、20日に行われた第2節のG大阪U-23-盛岡は4-1で圧勝。実好監督は開口一番「悔しさを表現できた試合だった」と評しました。アピールの場と割り切り、公式戦で得点を挙げたことで自信をつけた選手もいます。悔しさをバネに若手の成長は助長。結果として育成の強化につながると思います。改善点はまだまだあると思いますが、U-23の3チームが成功し、良きお手本になることを望んでいます。【小杉舞】


 ◆小杉舞(こすぎ・まい)1990年(平2)6月21日、奈良市生まれ。大阪教育大を経て14年、大阪本社に入社。1年目の同年11月からサッカー担当。今季の担当はG大阪など。ここ数年なぜか花粉症が完治しました。