新年度がスタートした4月1日、日本サッカー協会の新たな加盟団体として「日本障がい者サッカー連盟(JIFF)」が設立されました。

 初代会長に就任した元日本代表の北沢豪氏らが東京・JFAハウスで会見。ブラインドサッカー協会など7つの団体を統括する組織(一般社団法人)で、今後は日本協会が強化や普及活動をサポートし、連係しながら活動していくことになります。

 合言葉は「サッカーならどんな障がいも超えられる」-。北沢会長は「名前を聞いた時に、多くの皆さんは障がい者サッカーはそんなに多いのかと思われたと思います」とあいさつされていました。ここで7つの団体を紹介したいと思います(順不同)。


 (1)「日本アンプティサッカー協会」 足や腕に切断障がいのある人が行う。7人制。日常生活で使用する義足・義手を外し、つえのような補助具で体を支えながらプレー。主な国際大会はW杯。

 (2)「日本CPサッカー協会」 脳の損傷によって運動障がいがある人が行う。「CP」は「脳からの」「まひ」、それぞれ英語の頭文字から。世界選手権や、パラリンピックでも行われる(16年まで)。

 (3)「日本ソーシャルフットボール協会」 精神障がいのある人が行う。基本ルールは健常者と同じ。国際大会がある。

 (4)「日本知的障がい者サッカー連盟」 知的障がいのある人が行う11人制。フットサルも行っている。障がいの度合いにより試合時間が異なる。通称「もうひとつのW杯」という国際大会がある。

 (5)「日本電動車椅子サッカー協会」 国際的にはパワーチェアーフットボールと呼ばれている。チーム編成、プレーヤーに男女の規制はない。W杯がある。

 (6)「日本ブラインドサッカー協会」 視覚障がいのある人が行う5人制。音の出るボールと、まわりの声を頼りにプレーする。04年からパラリンピックの正式種目でブラサカとして急速に浸透中。

 (7)「日本ろう者サッカー協会」 デフサッカーと呼ばれ、聴覚障がいのある人が行う。サッカーとフットサルがあり、審判は笛と旗を使用。視覚情報を頼りにプレー。W杯が行われている。


 会見では、健常者のサッカー男子日本代表(通称サムライブルー)の長谷部誠、香川真司、川島永嗣、3選手からのビデオメッセージも届けられました。

 香川選手は「世界のみんなに日本のサッカーを知ってもらえるように、同じサッカー人として盛り上げていきましょう」と共闘を呼び掛けていました。

 今後はメーカーやデザインがバラバラの、それぞれの代表ユニホームを香川選手らが着ているものと同じデザインに“統一”する方向に向かうようです。

 調整は簡単ではありませんが、日本協会の田嶋幸三会長は「いくつかの問題をクリアして実現したい」と積極的に推し進める姿勢を示しておられました。今後の活動にも注目していきたいと思います。


 ◆八反誠(はったん・まこと)1975年(昭50)岐阜県生まれ。98年入社。名古屋でアマチュア野球や一般スポーツを担当し、06年からサッカー担当に。途中、プロ野球中日担当も兼務。14年1月から東京勤務。日本協会などを担当。