八百長疑惑でスペイン検察当局から告発されている日本代表ハビエル・アギーレ監督(56)が27日、東京・文京区のJFAハウスで会見した。

 スペイン1部サラゴサ(現2部)の監督を務めていた11年5月21日のリーグ最終節レバンテ戦(2-1)にかかる一連の疑惑について、告発された後に自ら口を開くのは初めて。無数のフラッシュを浴びながら、報道陣の前に現れたアギーレ監督は「こんにちは。本日まで皆さんの前で発言しなかったのは、正式なものが何もなかったからです。このたび訴状が提出されたという状況なので、私の意見を申し上げたい」と切り出した。

 以下、一問一答。

 -潔白なのか

 アギーレ監督

 もちろんだ。私は39年間、スペイン、メキシコ、アメリカ、そして日本で仕事をしてきたが、汚点は全くない。

 -本格的な捜査はいつから始まるのか

 アギーレ監督

 1月に入ってからになると思う。まず調査があるという段階だが、それからの時間がどのくらいに及ぶのか誰も分からない。調査が終わったところで終わるのか、裁判に発展するのか、誰にも分からない。私はスペインサッカーの正直さ、クリーンなところを信じています。12年間、スペインにいたが、倫理、プロフェッショナルに反したことはしていない。試合に勝つための唯一の方法は努力。私は誰にも何もプレゼントされてないし、望んでもいない。ですので、スペインの司法当局に協力し、最後まで見守りたい。

 -予審請求が1月(アジア杯期間中)になり、スペインに呼ばれることになったらどうするか?

 アギーレ監督

 弁護士の話では、仕事に影響しないところで呼んでいただける。期間中は、アジア杯の優勝以外のことは考えない。会見が終わった後は100%、アジア杯で優勝することだけに私のエネルギーを注ぎたい。

 -選手に対して何と伝えたいか

 アギーレ監督

 この会見と同じことを伝えたい。現場に集中するだけだ。私の発言を裏付けてもらうためにも、皆さんにはぜひ、私の39年のキャリアを調査してほしい。証言する時は、あらゆる形で証言できるし、代表監督の仕事に影響が及ぶことは全くない。100%、保証できる。

 -口座への振り込みなど金銭の流れを把握しているのか

 アギーレ監督

 弁護士のアドバイスで、お答えできない。詳細な内容に関しては司法当局に答えたい。ただ、当局から今と同じ質問をされたら、落ち着いて答えられる。

 -今後の展開によっては身を引くことになるかもしれない。その場合、身を引く覚悟はあるのか?

 アギーレ監督

 想定の話なので、お答えすることはできません。ただ、私の39年間の中で仕事を辞任したことは1度もない。私は落ち着いています。繰り返しますが、落ち着いています。

 -日本では大騒動になっている。その点についてどう考えているか?

 アギーレ監督

 3シーズン前の試合、しかも調査の段階です。両チーム合わせて36人の選手と監督の私、4人のクラブ関係者、法人としてのサラゴサ、相手チームの監督は出場停止だったので呼ばれていませんが、関わっていた人が呼ばれて調査されるというだけ。私のことを知っているスペインやアメリカ、メキシコでは、このようなことは聞かれない。日本ではまだ、私のことが知られていない。だから、このような会見を開きましたが、私は落ち着いております。あとは時間が経過するのを待つのみ。日本で、こんな大騒動になるとは思っていなかった。スペインでもアメリカでもメキシコでもスキャンダルになっていない。なのに、日本だけなっている。ただ、私にとってはクリアな状況。時が経てば事実が明るみに出てくる。それまで臆測で話すことは良くない。

 -(最後の質問)真実が明らかになるまでかなりの時間がかかりそうだ。それまで謹慎する考えはないか?

 アギーレ監督

 あの試合に関わった選手たちは、今も試合し続けている。責められることなく毎週末、戦っている。サラゴサの幹部も仕事を続けている。レフェリーも笛を吹いている。なのになぜ、私も彼らと同じように仕事を続けることができないのか?

 有罪を証明されるまでは無罪です。例えば、この会見場で私の財布がなくなったとする。でも、皆さんに「部屋から出るな」とは言えません。調査しないといけない、けれど皆さんも仕事をしないといけないからです。あの試合に出場した選手で欧州CLを戦っている選手もいる。家に引きこもる必要はない。私も仕事を続けたいと思います。