気丈に振る舞いながらも不安は隠しきれなかった。練習開始からわずか30分、FW高原が右太もも裏に張りを訴えた。倒れ込む高原の元に走り寄った岡田監督は「大丈夫か!?」と叫び、自ら早川トレーナーを呼びに行った。「大丈夫だと聞いている。(負傷個所は)あんまり聞いていない」と言いつつ、思わず自分の右太もも裏を押さえていた。

 FW玉田も右内転筋に違和感を訴え、高原とともに別メニューでランニングを始めた。練習終盤にはFW大久保がハイボールに思い切り右足を振り上げ、ゴールマウス内で転倒。しばらく倒れ込んでいると、同監督はハーフウエーラインにぼうぜんと立ちつくした。

 いずれも大事には至らなかったが、FWが次々に倒れる事態に肝を冷やしたに違いない。この日で7日間のドバイ合宿を打ち上げ、敵地バーレーンに移動。「けが人が出なくて、確実にチームは進歩したという手応えを感じている。順調にこられて、いいキャンプができた」と振り返ったが、不安は尽きない。