岡田ジャパンに招集された欧州組のMF2人が、定位置確保に強い意欲を見せた。19日、ルマン松井大輔(27)が中部国際空港へ、ボルフスブルク長谷部誠(24)が成田空港へそれぞれ帰国。松井は4季プレーしたフランス仕込みの個の突破力を、長谷部はブンデスリーガの半年間で鍛え抜いた肉体を武器に、代表のキーマンになることを誓った。

 ようやく招集を受けた松井の口から、代表への思いがあふれ出た。「久しぶりなのでポジションを取りたい。ハーフならどこでもできるんで」。オシム前監督時代の昨年9月の3大陸トーナメント(オーストリア)以来、8カ月ぶりの招集。フランスで磨いた技術を発揮するチャンスがついにやってきた。

 3月のバーレーン戦で敗れ苦境に陥った岡田ジャパンの中で、自分が何を求められているか分かっている。「前で勝負できればと思う」。フランスでも時にサイドで、そして中央で1対1の勝負を仕掛け、何度も局面を打開してきた。そのドリブル突破で、新たな攻撃のオプションを加えるつもりだ。

 もちろん岡田色にも染まる。代表戦はビデオでも見ていないというが「守備重視のイメージがある。前線からプレスを掛けるのは、いいと思う」と守備でも汗をかくつもりだ。

 06年W杯ドイツ大会で、悔しい落選を経験してから2年。「W杯は本当に出たい。これからも選ばれていきたい」と執念を見せる。「結果を出せる、今(チームに)いないような選手になりたい」。フランスで「太陽」と呼ばれた松井が、日本に光を当てる。【村上幸将】