サンテティエンヌと3年契約したMF松井大輔(27)が、欧州組の迫力を見せつけた。20日に愛知県内でスタートした日本代表合宿に初合流し、巧みなパスや高い技術を披露。岡田監督からも絶賛された。6月のW杯アジア3次予選を見据えたキリン杯コートジボワール戦(24日、豊田)へ、大きな期待を背負う。

 ピッチ上で松井1人だけ次元が違っていた。4人1組での攻撃練習では、1タッチで鋭いパスをサイドに散らした。あまりにパスが速く、周囲が追いつけない場面もあった。得意のドリブルではMF山瀬を寄せ付けず、競り合いでもFW高原を引きずり倒すなどパワーも披露した。「初日から頑張りました。疲れたけど代表は楽しい」と喜びをかみしめた。岡田監督も「技術もしっかりしてるし、経験も含め力になってくれる」と絶賛した。

 19日に約12時間かけ帰国し、合宿直前にはサンテティエンヌとの契約、入団会見までこなす激務だった。同時にフランス1部では初の同国外での契約と入団会見という栄誉を受けた充実感があった。クラブのトンクオン最高経営責任者(CEO)も、今後の招集に前向きな姿勢を見せるなど、代表の活動に協力的。松井は「(代表チームで)声が出てない、というかおとなしい。出せれば、もっと良くなると思う」と、早くもリーダーシップをのぞかせていた。