日本代表の岡田武史監督(51)が、名古屋合宿2日目の21日に、早くも24日のコートジボワール戦(豊田)に向けた新布陣をテストした。練習開始直後に、MF松井大輔(27)にポジションについて確認すると、松井を左MFに置く4-4-2の布陣を一気につくりあげた。2トップは大久保と玉田が組み、不動のエースストライカーだった高原を控えに回した。国内組と欧州組の融合に取りかかり、6月のW杯アジア3次予選に向け、仕上げる。

 練習場に到着後、最後にピッチに現れた岡田監督が、いきなり動いた。松井に歩み寄り話しかけた。

 岡田監督

 左と右、どっち(サイド)でやりたい?

 松井は、両手を広げながら答えた。

 松井

 僕はどちらでも問題ありません。

 すぐに岡田監督の頭の中には、国内組と欧州組を融合させた布陣が浮かんだようだ。11対11の戦術練習。主力組とみられる方は、左MFに松井、右ボランチにMF長谷部が入り、2トップは玉田と大久保が組んだ。もう一方は仮想コートジボワールの3トップで、高原はそちらに回った。主力組の「配置換え」は明らかだった。

 松井への面談から始まった新布陣の試運転は上々だった。松井、玉田、大久保のトライアングルの連係がいい。流れの中で玉田を頂点に左に大久保、右に松井が入って前線を駆け回り、思うがままにスペースを突いた。そして玉田にボールが入った瞬間、松井が右に流れてDFを引きつけ、空いたスペースに走り込んだ大久保が、玉田のパスを受けてゴールした。

 松井は「連係はいい。感覚も(ボールが)欲しいところも分かっている。3人とも走れるので、うまくコンビを使えれば」と手応えを口にした。大久保も「やってて面白い」と言い、玉田も「ここに出してくれれば、というところに(パスが)出てくる」と笑みを浮かべた。岡田監督も「悪くない」とニヤリ、好感触だ。故障者続出など誤算続きの岡田ジャパンに、ようやく方向性が見えてきた。【村上幸将】