日本代表MF中村俊輔(29=セルティック)が19日、W杯3次予選最終戦・バーレーン戦(22日、埼玉)の「臨時コーチ」役を買って出た。右足首痛で欠場濃厚だが、イレブンをピッチ外からバックアップする。既に今合宿中に、バーレーン戦とその先の最終予選に向けて若手には自分の経験を伝えている。日本が世界に誇るファンタジスタの戦いは、仮に試合には出場しなくても、休むことはない。

 中村が戻ってきた。右足首の関節炎と診断されてから、今合宿3日目で初めてグラウンドに立った。ピッチ横でスパイクを履き、フィジカルトレーニングを1時間以上こなした。これまでプールとジムでリハビリしてきたが、決戦を3日前にしてようやく足首の痛みが取れた。20日からチーム練習に合流する予定だが、バーレーン戦の出場は難しい。出場を目指すが、仮に出場しなくてもピッチ外で戦う覚悟だ。

 中村俊

 例えばベンチスタート、ベンチ外でも、自分にできることがある。試合を見て気づいたところをハーフタイムに選手に伝えたい。岡田監督の戦術は把握したつもりだし。こうなっているからこうした方がいいとか。出場する選手を励ましたり、僕が今まで経験してきたこともあるし、いろんな話ができると思う。

 既に、複数の選手には具体的な例を挙げて、自分の経験を伝えている。目の前のバーレーン戦だけでなく、9月6日から始まるW杯最終予選に向け、個のレベルを上げるべく、気づいた点はその場でアドバイスするようにしている。食事会上やピッチ上で、常に「俊輔教室」が開かれている。

 中村俊

 せっかく一緒にいるんだからね。例えば、内田にはヘディングで競るのが難しい時は、体だけぶつけたり、ボランチに競らせて自分はカバーに回ったりとかね。そういう話をしている。次がバーレーン戦だからじゃなく、今後に向けて少しでも良くなればいいと思っているよ。

 同じ選手目線でアドバイスするから、イレブンの受けもいい。MF遠藤は「俊とはプライベートの話をする時間が長いけど、短い中でも『なるほど』と思える話をしてくれる」。バーレーン戦は、岡田監督が気づかない細かいところまで目を配り、FKのようなピンポイント・アドバイスでチームを支える。【盧載鎭】