日本代表のFW大久保嘉人(26=神戸)に厳しい処分が下された。日本協会は19日、W杯アジア3次予選オマーン戦(7日)で相手GKを蹴って一発退場を受けた大久保に対し、国際サッカー連盟(FIFA)から3試合の出場停止処分と、5000スイス・フラン(約52万円)の罰金が科されたと明かした。

 18日付でFIFAから日本協会に届いた文書によると「プレー中ではなく、著しい反スポーツ行為」と記されていた。日本代表では近年では例のない3試合出場停止に加え、罰金は日本人の過去最高額。すでに14日タイ戦で1試合は消化済み。協会幹部によると22日バーレーン戦に加え、9月6日の最終予選初戦も出場停止になる。

 この日の午前中に連絡を受けた大久保は、韓国遠征中の神戸に合流するため、すぐに代表宿舎を離れた。岡田監督は「出場停止でなくても、カゼをひくこともあるから」と平静さを装ったが、本人は「残念だけど自分が一番悪い」と肩を落とした。協会によると反紳士的行為のため、罰金は本人に支払わせる方向だという。大久保の欠場は岡田ジャパンにとっても大きな痛手。不用意な退場の代償はあまりにも大きかった。

 ◆過去の処分

 W杯予選での一発退場は93年4月28日のW杯アジア1次予選タイ戦のDF井原以来15年ぶりで、当時は1試合の出場停止。ちなみに06年W杯ドイツ大会決勝イタリア戦でDFマテラッツィに頭突きをして退場したフランス代表MFジダンは、7500スイスフラン(約78万円)の罰金と3日間の社会奉仕活動。98年W杯フランス大会のアルゼンチン戦で退場処分を受けたイングランド代表MFベッカムは2試合の出場停止。