W杯予選突破には、挙国一致体制が必要!

 セルティックの日本代表MF中村俊輔(29)が、W杯アジア最終予選開幕を前に、全Jリーガーにメッセージを送った。28日に横浜市内でサッカースクールを開催した中村俊は、予選突破に必要な戦力について「日本人全員」と言い切った。

 決して冗談ではない。長丁場では、さまざまなハプニングが、チームを襲うことを熟知している。「9カ月もあれば、けが人とかも出てくる。(日本人)みんなが代表というクラブの一員だと思って戦わないと」とうなずいた。

 ただでさえ苦しい予選の戦いが、今回はさらに苦しくなる。前回の最終予選よりも2試合多い計8試合。遠征に必要な移動距離は、合計6万2000キロ。来年6月のオーストラリア戦などは、赤道を越えて初夏の日本から晩秋の敵地に移動する難しさもある。

 1試合1試合の戦い自体も、厳しいものになると予見する。「新聞ではB組より恵まれたとか書かれていたけど、厳しいことに変わりはない。警戒するのは全部の国。どこも日本を倒すという意気込みで来る」と首を振る。特に言及したのはウズベキスタン。「体は大きいし、欧州みたいなサッカー。いいFWがいたし」と警鐘を鳴らした。

 苦境は必ず来る。中村俊は「苦しいときに、どうやってチームを立て直せるかも大事」と語気を強めた。選手層を増して、チームの地力をつけないと-。「スクールの子どもたちにも、代表を目指して頑張れ、まだ間に合うぞと話した」。冗談めかした言葉の中に、国を挙げて戦うべきという真意が隠されていた。