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小野「王様返上」チームプレーに徹する

岡田監督(右)と握手するMF小野(撮影・鹿野芳博)
岡田監督(右)と握手するMF小野(撮影・鹿野芳博)

 2年2カ月ぶりに日本代表復帰したMF小野伸二(28=ボーフム)が、「王様返上宣言」で第2次岡田ジャパンに「入学」した。圧倒的な個の能力を見せつけていた以前とは違い、あくまでチームの一員として全員攻撃、守備の1ピースになることを明言し、年下の選手に気を使う場面も。ただ技術の高さは群を抜いており、周囲に一目置かせるプレーは、言葉とは裏腹に「王様」そのものだった。

 10年ぶりに岡田ジャパンに帰ってきた小野は、いきなり岡田監督からきつい? 洗礼を浴びた。「(調子は)どうだ」と聞かれ、「ボチボチ」と返事を返すと「ボチボチじゃ困る」と突っ込まれた。そして、いきなり頭に「岡ちゃんチョップ」を食らった。互いに顔を見合わせ爆笑した後、小野は自ら垣根を解くように周囲に話しかけていった。

 小野 久しぶりの代表は前と違うし新鮮。変に王様にならないように全体でいい雰囲気がつくれた。

 言葉通り、練習ではチームプレーに徹した。ポジションが決まっていなかった紅白戦では、MF今野が「伸二さんは攻撃で力を発揮するから」と自らボランチに下がり、自然と小野はトップ下に。するとFWの動きだしを見逃さずスルーパスを連発。FW玉田も「動きをよく見てくれている。逆に見られてるんでサボれない」と脱帽した。

 以前は、創造性あふれるプレーで別次元の存在だった。第1次岡田ジャパンに入った当時、エース中田英の代役扱いされ「中田さんの代わりじゃない」と怒ったこともある。ただ、その後は左足首などの故障を繰り返し、昨年は浦和で出番を失い、代表から外れた。だから今回の復帰を背水と位置づけている。

 小野 もうスーパープレーはできない。ラストチャンスという気持ち。全員サッカーができれば。

 代表に再定着するため、岡田ジャパンの1ピースになる覚悟だ。練習後、1学年下の玉田に「お疲れっす」とあいさつし、「後輩を待たせると怖いんですよ」とおどけて見せた。岡田監督を「あんなに積極的に声を出すとは思わなかった」と驚かせた孤高の天才が、生き残りのため生まれ変わろうとしている。【村上幸将】

 [2008年8月19日8時59分 紙面から]


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