日本代表DF水本裕貴(22=京都)が、新妻と二人三脚で南アフリカを目指す。日本協会は29日、10年W杯南アフリカ大会アジア最終予選初戦のバーレーン戦(9月6日、マナマ)に向けた日本代表の追加招集3選手を発表。DF内田、FW大黒とともに選出された水本は、19日に高校時代から交際を続けてきた同い年の女性と結婚。北京五輪で3戦全敗に終わった屈辱を糧に、伴侶とともに10年W杯へと歩む。日本代表は30日から千葉県内で合宿をスタートする。

 新婚ホヤホヤの水本に朗報が届いた。4大会連続のW杯出場へ、重要な一戦となる最終予選初戦のバーレーン戦に追加招集された。3月26日の3次予選バーレーン戦以来5カ月ぶりのA代表復帰。その間は苦労の連続だっただけに、前日28日に遠征先の大分で加藤監督から知らせを受けると、喜びを隠せなかった。

 「あこがれていたW杯の出場権をかけた戦いに臨むメンバーに選ばれたことを光栄に思います。6日の初戦に勝つことが重要になってくると思うので、与えられた役割をしっかり果たして勝利に貢献したい」。

 どん底からはい上がった。今季開幕前に大きな期待を受けて千葉からG大阪に移ったが、定位置をつかめなかった。五輪直前の6月に京都に電撃移籍。周囲から「わがまま」と陰口をたたかれた。主将として臨んだ北京五輪も3戦全敗。絶望的な気持ちになった水本を支えたのが、高校時代から交際してきた同い年の夫人だった。交際からちょうど5年がたった8月19日に結婚。その際に「五輪後にケジメをつけたかった。僕はもうW杯しかない。嫁と一緒に目指したい」と言った。

 新天地に移っても五輪合宿などで忙しく、まだ引っ越しもできず大阪から京都に通っている。現在は京都の練習場近くに、夫人との新居を探している。センターバックは中沢、闘莉王と不動の2人がいるが、控えに甘んじるつもりはない。来年6月まで続く最終予選のスタートに滑り込んだ。このまま夫人との二人三脚で、W杯への道のりを歩む。【益子浩一】