W杯最終予選のバーレーン戦(6日、マナマ)に向け、日本代表の司令塔・中村俊輔(30=セルティック)が仲間に「察知力」を求めていたことが8月31日、分かった。中村俊がボールを受ける際の角度やボールの位置、体の向きなどを把握し、自分と目が合う前に動きだすことを、5~6月の3次予選最中に、最終予選への「宿題」として出していた。欧州組が合流する2日からの練習で最終確認する。岡田武史監督(52)は千葉合宿2日目のこの日、守備の確認を行った。

 アイコンタクトで動きだしては遅い。中村俊がFW、MF、両サイドの選手に、プレー中の自分の動きを察知して動きだすことを、最終予選への宿題としていたことが分かった。代表へ合流した5月25日から約1カ月の合宿で、一部の選手には伝えていたが、6月22日のバーレーン戦では、実を結ばなかった。そこで試合後、今月から始まる最終予選へ、察知力を高めることを求めていた。

 「最終予選はさらに厳しくなる。目が合ってから動きだしたら、相手を振り切れない。僕がボールを持った時の体の向き、ボールの位置を見て、顔を上げる前に動くように。クサビを入れるのか、裏に出すかは僕のクセを把握すれば分かるはず。僕を信じて走ってくれれば、必ずそこにボールを出すから」。中村俊はこのような考えを複数選手に伝えていた。

 3月のアウェーのバーレーン戦で日本は、直前にUAEのドバイで合宿し、地元クラブとの練習試合で最終調整した。しかし今回は、9月2日にチャーター機でマナマに直接入るため、情報漏れなどもあり、練習試合は組まない予定。中村俊は「合流してからは実戦で確認できないから、練習中に自分を多く見せることが必要。僕のクセを練習中に分からせれば、問題ない」と自信をみせた。

 DF長友は「俊さんからは『オレがボールを受ける前に走ってろ』と言われました。僕のほしいところにピンポイントでボールを出してくれる」と言い、MF遠藤も「俊の動きを見るだけで、次のプレーが予測できる。FW陣が分かってくれれば、チャンスはさらに大きくなる」と話した。DF内田は「俊さんとの話は内緒だけど、動きだしの部分の話はしている」と、宿題を忘れていなかった。バーレーン戦で、全員が中村俊の動きを察知し連動すれば、自然と白星はついてくる。【盧載鎭】