12年ロンドン五輪から14年W杯ブラジル大会へ-。日本協会が五輪代表監督とA代表監督を兼務させる意向であることが18日、分かった。北京五輪での惨敗を受けた同協会の技術委員会は、A代表とU-23(23歳以下)代表の強化をリンクさせることを改めて重視。年内にも14年W杯に向けた長期強化プランを固め、第1のターゲットとしてロンドン五輪を目指す指揮官の人選に着手する。

 この日、韓国協会の招待で渡韓した犬飼会長は、羽田空港でロンドン五輪への指導体制について「トルシエ(監督)のようなやり方も考えられる」と、00年シドニー五輪から02年W杯日韓大会とチームを率い、W杯16強に導いた指揮官の名をあげた。今も代表の主力となる「黄金世代」の強化法が、今後の手本になる。

 以前から、技術委員会は五輪とA代表の強化一本化を重視していた。しかし、04年アテネ五輪は当時A代表のジーコ監督が拒否。今年の北京五輪代表も、反町監督のもとでA代表とのリンクなしに活動した。結果としてスムーズな「昇格」が遅れ、A代表の若手不在が叫ばれた。北京大会の反省点となる「オーバーエージ不在」も、両代表のリンク欠如が一因だった。

 技術委員会ではU-17、U-20W杯を目指す若年層の育成・強化と、Jリーグの主力がいるU-23、A代表の強化を分けて考える意向。Jクラブとの連携、チームをまたいだスムーズな強化、若手選手への一貫指導など、U-23とA代表監督兼任はメリットが多い。日程重複時の対策や多くのスタッフが必要になるなど課題もあるが、クリアされれば兼務へ支障はない。

 犬飼会長は「私には人事権はないから」と言いながらも「年内には体制を固めたい」と話した。まずは技術委員会で長期の強化案を固め、さらに監督の人選に入る。常に結果を求められる代表監督だけに途中解任もありえるが、基本線は14年W杯までの長期になる。

 新監督は、来年予定されるU-20W杯後(今年10月にアジア予選)に五輪を目指して本格的に立ち上がるチームの監督に就任。10年W杯終了後にはA代表監督にも就く。佳境を迎える南アフリカ大会最終予選を横目に、次の14年W杯への強化がスタートする。