<U19アジア選手権:日本5-0イエメン>◇10月31日◇1次リーグ◇A組◇サウジアラビア・ダンマン

 若き日本代表が、世界に向けて力強く白星スタートを切った。開幕のイエメン戦、前半12分にMF水沼宏太(18=横浜)が先制点を決めると、その後も次々とゴールを重ねて5-0と大勝。A代表も兼ねるMF香川真司(19=C大阪)は体調不良で欠場したが、上位4カ国に与えられる来年のU-20W杯(エジプト)出場権獲得に向けて、貴重な勝ち点3を手にした。

 水沼の先制ゴールを口火に、日本が次々とゴールを奪った。後半6分から10分には立て続けに3発。イラン、サウジアラビアと強国ぞろいの「死の組」で、まず勝ち点3を手にした。牧内監督は「いい試合運びができた。いい時間帯に先制点が入って、チームが落ち着いた」と満足そう。水沼も次に試合を控えるイランとサウジアラビアに対して「いい形で刺激が与えられたと思う」と話した。

 A代表掛け持ちで1次リーグ限定出場の香川が直前の体調不調で欠場、序盤にFW柿谷も足を痛めて交代した。それでも、ピンチに動じなかった。後半6分から10分までに3発。GK権田主将を中心にイエメンの攻撃を完封し、その後も相手ゴールを襲い続けた。

 水沼、岡本、柿谷らは、2年前のU-16アジア選手権で優勝を果たした「新黄金世代」。目標は高い。10年前、ワールドユース(現U-20W杯)で準優勝した稲本、小野ら「黄金世代」でもできなかったアジア制覇だ。牧内監督は「W杯出場は最低限の目標で、できればこの大会で優勝したい」と、初Vまで口にしていた。

 79年、日本で開催されたワールドユースで、日本の唯一のゴールを挙げたのが水沼の父貴史氏(元横浜監督)。30年後の世界大会目指して、2得点でチームを引っ張った水沼は「今日は相手が相手だったので。いい感じでアウェーも経験できた」と自信を見せた。開幕戦で5-0圧勝。最高の形でスタートを切った。