前日本代表監督のイビチャ・オシム氏(67)が、カタール戦を控える代表選手の奮起をうながした。同氏は10日、東京・文京区のJFAハウスで公認S級リフレッシュ講習会で講演した後「日本にとって一番大切なのは、W杯に出ること」と話し、選手がW杯出場を目指して集中することの重要性を強調した。

 記者に囲まれたオシム氏は、選手に対して苦言を呈した。「ベッカムやC・ロナウドらスター選手は、常にプレッシャーと闘っている。日本の選手には、そういうプレッシャーがない。それはいいことなのか、悪いことなのか」と、ピッチだけでなく私生活も含めて重圧の中でプレーする選手を例にあげ、日本選手の精神面の弱さを指摘した。

 「私は東京五輪に出場したが、その大会に出た日本人選手には、結果が出ずに自殺した人もいた」とマラソン選手の故円谷幸吉氏の例まであげて、代表選手の危機感をあおった。「W杯に行けなかったら、日本サッカーがどうなるか。記者にはそれを検証し、書いてほしい。それを見て何も感じない選手は、選手をやめた方がいい」。W杯出場という大目標に向けて選手の意識が高まるように、迫力たっぷりに熱弁をふるった。