U-21(21歳以下)日本代表FW永井謙佑(21=福岡大)が、ザッケローニ日本代表監督(57)の御前試合で金メダルと得点王両どりを狙う。24日は、中1日で行われる今日25日のUAEとのアジア大会決勝戦に向け、痛めている左太ももを気にする様子もなく約1時間軽めの調整。アジア大会初優勝へ、今大会5得点のエースは「点をとって勝ちたい」。8日の中国戦に続き再視察する指揮官の期待にもゴールで応える。

 FW永井が金メダルをステップにA代表のエースも狙う。今大会5得点。23日のイラン戦でも抜群の速さで決勝点を奪った。大会6得点の釜本邦茂氏の記録に肩を並べようとしている。優勝候補の北朝鮮、韓国を連破してきたUAE相手に「とにかく僕が点をとって勝ちたい。個人タイトルは結果としてついてくる」とエースの自覚も身に着いてきた。

 決勝戦には8日の中国戦に続き日本代表ザッケローニ監督が再視察することが正式決定した。イラン戦終了直後には通訳を通じ「よく戦っている」と原博実強化担当技術委員長のもとに電話が入ったほど熱い視線を送っている。同委員長も「選手個々の評価に関しては中国にきてから、関塚監督とザックさんがいろいろ話すことになると思います」と活躍する永井のアジア杯招集の可能性をあらためて示唆した。27日にはJリーグ視察もある強行日程の中、今回はアグレスティ・コーチも同行し、いよいよ本格的に見定める。

 決戦に備え19日のタイ戦で打撲した左太ももの状態も上向きだ。上石ドクターが「気持ちも強いが、筋肉の質も今まで見てきた中で1番。松井稼頭央なみ」とプロ野球の中でも最高級の筋肉を持つといわれる松井を引き合いに出すほど、その資質に太鼓判を押す。イラン戦に強行出場した反動が心配されたが「もう大丈夫です」と永井。前日の試合後は電気治療を施したあと、おにぎりなどの和食で心も落ち着かせた。

 決勝を前に永井は「いつも通りやるだけ」。大舞台でも平常心を保てる精神力も強みだ。関塚監督も「1戦1戦成長し、たくましくなった。みんなで勝ち取った舞台で力を出してほしい」と期待。誰も成し遂げていない金メダルがエースへの勲章となる。【鎌田直秀】