【バルセロナ(スペイン)1日=山本孔一通信員】右膝半月板を損傷し、診察のために極秘でスペイン・バルセロナへ飛んでいた日本代表FW本田圭佑(25=CSKAモスクワ)が同地へ到着した。付き添った関係者とともにバルセロナの空港に姿を現すと、すぐにタクシーに乗車。膝手術の権威がいる同市内の病院に直行した。

 右膝負傷の本田が向かった先は、やはり世界的な名医のいる場所だった。関係者と2人、パリ経由でバルセロナに到着した本田は、黒いサングラスで表情を隠し、無言のままタクシーに乗り込んだ。そのまま同市内の病院へ。病院の敷地内に入ると、出迎えた医師と握手して奥に消えていった。

 この病院は、膝内視鏡手術の世界的権威がオペを行う病院として、スポーツ界では有名だ。同医師はこれまで現役時代のバルセロナ・グアルディオラ監督をはじめ、シャビやプジョル、バルサ在籍時のエトーら、同クラブの多くの選手を執刀。それだけにとどまらず、欧州各国リーグの選手たちが、膝を負傷するとまず訪問を考えるという、膝手術のスペシャリストだ。

 CSKAモスクワのチームメート、ネチドも6月に同医師に手術を執刀してもらっていることから、本田もバルセロナを訪れたとみられる。本田はこの日、一切コメントを発せず、診察の内容も明かさなかったが、手術が必要と判断されれば一両日中にもオペが行われる可能性が高い。

 膝半月板手術は、程度によって治癒期間も大幅に変わってくる。損傷部分が小さく、内視鏡で切り取る程度で済めば、入院もせずに翌日からバイクこぎなどのリハビリが可能。1カ月ほどでピッチに戻ってくる可能性も残されている。逆に半月板だけでなく、靱帯(じんたい)も損傷していれば、長期離脱は避けられない。

 いずれにせよ手術を行えば、10月11日のW杯アジア3次予選タジキスタン戦(長居)で戦列に戻ってくる可能性は低い。だがすべてのファンは、本田のケガが、11月11日のアウェーでのタジキスタン戦で戦列復帰できる程度の負傷であってほしいと願っている。