【バンコク=亀山泰宏】ベガルタの絶対守護神に一世一代のチャンスが巡ってきた。仙台GK林卓人(29)が17日、親善試合アイスランド戦(24日=長居)に臨む日本代表に初選出された。チームの昨季リーグ最少失点(25)の立役者となり、優秀選手にも選出された男が代表へ挑む。チームのタイ遠征に同行している林は今日18日に「トヨタプレミアカップ」ブリーラムPEA戦(日本時間午後7時30分開始予定)に出場する予定だ。

 念願の吉報にも、林は林だった。「1人の力ではなく、チームみんながくれたチャンスだと思う。そういう思いでアピールしてきたい」。謙虚で寡黙な職人肌の男らしく喜びは控えめに、そして何よりもまずチームメートに感謝した。昨季堅守を武器にリーグ4位と躍進した仙台の要。安定したセービングに加えて「自分の中でも結構チャンスをつくれていると思う」と自信を見せる高精度のフィードは、紛れもなく代表レベルだ。手倉森監督も「素晴らしいこと。ずっと入ってほしいと思っていた。去年良かった中でベストイレブンに選ばれず、でもこういう形で認められて良かった」と自分のことのように声を弾ませた。

 一足早く海外との対戦に臨む。ブリーラムPEA戦は当然、スタメン出場が濃厚。「明日はお客さんも入るし、気合が違う。チームのプラスになるプレーをしたい」と力を込めた。現地は酷暑でピッチコンディションも良好とは言えない。「タフで難しい試合になるとは思うけど、どれだけ我慢強くできるか」とポイントを挙げた。林が日本代表GKの看板を引っ提げて、タイの強豪の前に立ちはだかる。