リーダー求む-

 2月8日から始まる日本女子代表候補合同合宿のメンバーが28日発表された。MF澤穂希(34)宮間あや(28)らベテランは参加免除。なでしこジャパンからはFW川澄奈穂美(27)DF岩清水梓(26)ら9人が名を連ねた。佐々木則夫監督(54)は「中堅の選手たちにリーダーシップを取ってほしい」と参加選手選考の意図を説明し、新たなリーダーの登場に期待した。

 15年カナダW杯、そして続く16年リオデジャネイロ五輪へ向け、佐々木監督の意図は明快だ。大分での合同合宿に、欧州組および澤、宮間、GK福元美穂(29)は招集せず。残された選手たちのやる気を最大限に引き出すやり方だ。

 佐々木監督はこの日、都内の日本協会で行われた合宿メンバー発表会見に参加。澤、宮間、福元の名前を挙げ、「彼女たちがいるとどうしても他が頼ってしまう傾向がある。3人はサッカーへ取り組む姿勢など熟知してますから」と、あえて呼ばなかったと説明。その上で「中堅の選手たちにキャンプではリーダーシップを取ってほしい」と話した。

 佐々木監督はなでしこジャパンの監督に就任後、キプロスへの遠征に当時中堅の選手中心で臨み、宮間らの年代の成長につなげた。今回も同様の手法で、大分合宿に参加する中堅~若手メンバーを中心に3月のアルガルベ杯を戦う。中心はなでしこジャパンの川澄や岩清水ら。「彼女たちの年代がどんどんピッチ内外でリーダーシップを発揮してほしい。彼女たちの経験を積極的に伝えてほしい」と監督の期待も大きい。

 なでしこジャパンの主将・宮間が不在のため、大分ではキャンプ中のキャプテンが任命される見通し。佐々木監督は具体的な選手名は挙げなかったが「合宿の初日に、パッと選手たちの目を見て決めようと思っています。みんなやる気はあると思いますが、その中でも目つきが違う選手にやってくれと」と、やる気を最優先させることを示唆した。

 なでしこジャパンは11年ドイツW杯で優勝し、12年ロンドン五輪で銀メダルを獲得した。しかし、最近はフィジカルに優れる欧米諸国が、パスをつなぐ緻密な日本のサッカーを学びつつある。佐々木監督も「米国だけでなく、ブラジル、フランス、ドイツも蹴って走ってではなく、質を上げている。日本ももっと攻撃の質を上げないと」と話し、チームのレベルアップのため、中堅の奮起をうながした。【千葉修宏】