日本代表FW香川真司(24=マンチェスターU)が来季、欧州CL決勝に出場してさらなる成長を遂げ、W杯ブラジル大会に挑む。日本代表は26日、愛知県豊田市内で合宿をスタート。香川は代表合流前の同日未明に古巣ドルトムントが敗れた欧州CLをテレビ観戦し、かつての仲間から強い刺激を受けた。クラブと代表の2つの世界の頂点を目指すべく、まずは6月4日のW杯アジア最終予選オーストラリア戦(埼玉ス)で予選突破を決める。

 眠い目をこすりながら、ホテルの自室で友人とともにテレビ画面を凝視し続けた。昨季まで所属した古巣ドルトムントがBミュンヘンと対戦した欧州CL決勝。敗れはしたが、かつての仲間たちの雄姿は香川の脳裏にはっきりと刻み込まれた。

 「もちろん見ました。すごくいい試合をしていたし、負けたのは残念。招待してもらったのに行けなかったけど、元チームメートが決勝で戦っているのを見て感動した。素晴らしいチームだとあらためて感じた。代表前にいい刺激を頂いた。ああいう舞台に立ちたいと思ったし、大会は(代表戦とはステージが)違うが(決勝は)選手として特別なところだと思う」

 W杯出場切符をつかむことができなかった3月26日のヨルダン戦から2カ月。引き分け以上でW杯出場が決まる6月4日のオーストラリア戦を前に、香川はかつての戦友たちからこれ以上ない刺激を受けた。

 この日の練習には、誰よりも目立つオレンジ色のスパイクを履いて登場。ダッシュでは先頭に立ち、初日から文字通り背中でチームを引っ張った。21日の帰国後は、DF長友とEXILEのコンサートに行ってリフレッシュ。好物のうどんやすしを食べて英気を養い、この日から再び戦闘モードへと突入した。

 「気が引き締まる思い。最初の目標はW杯を決めること。その次にはコンフェデ杯もある。今日から切り替えてオーストラリア戦に向けて調整していきたい」

 その先には、プレミアリーグ王者として臨むリーグ戦と欧州CLが待っている。そしてクラブでの来シーズンを終えれば自身初のW杯。代表の攻撃の中心としてチームをけん引していく24歳は、クラブで欧州の頂点に立ち、そのままの勢いでブラジルへと乗り込む青写真を描く。

 そのためにもまずはW杯アジア最終予選突破は絶対条件。C大阪からドルトムント、マンチェスターUとサクセスストーリーを歩んできた。世界の頂点に上るべく、まずは3日後のブルガリア戦、そして6月4日のオーストラリア戦に全力を注ぐ。【福岡吉央】