日本代表FW清武弘嗣(23=ニュルンベルク)が結婚記念日弾でチームをW杯へと導く。11年に結婚した清武にとって、今日28日は2度目の結婚記念日。30日の親善試合ブルガリア戦、6月4日のW杯アジア最終予選オーストラリア戦に向け、「0528」の数字が入ったスパイクを用意しており、日ごろから支えてくれている家族への感謝の思いを胸に、W杯出場を決める。

 清武が粋な演出を施した愛用スパイクで、W杯出場へとつながるゴールを狙う。20日の帰国後、契約するアディダス社のイベントで、スパイクの両足甲の部分に黄色の刺しゅうで結婚記念日である「0528」の数字を入れ込んだ。理由を聞かれ「オレの自由っす!」とちゃめっ気たっぷりに話した清武は結婚後、ゴールを決める度に左手薬指にキスをするパフォーマンスを繰り返してきた。家族はそれほど大切な存在だ。

 関係者によると、オーストラリア戦には妻真梨子さん、長男真駿(しゅん)くんらも来場予定。初めての海外生活を1年間支えてくれた最愛の家族の前でW杯出場を決めるためにも、まずはブルガリア戦でゴールを決め、オーストラリア戦へと弾みをつける。

 「自分の位置はMFではなくFWなので、ゴールにつながるプレーが求められる。貪欲に狙っていきたい。日本全体が期待していると思うし、勝って気持ちよく(出場を)決めたい。日本らしいサッカーで相手を圧倒したい」

 ザッケローニ監督はこれまで清武をはじめ、FW宇佐美、大津、大迫、原口、宮市らロンドン五輪世代の若手攻撃陣を何人も代表に招集し、試してきた。そんな中で清武は代表常連として生き残った唯一の存在。だが2列目にはビッグクラブでプレーするFW香川、本田、岡崎がおり「まだ代表に定着したとは思っていないし、もっとアピールが必要」と、定位置をつかむためにも、さらなる成長を誓う。

 海外でのプレーを経験したことで「何事にも動じなくなり気持ちのブレがなくなった」という。豊田スタジアムは11年6月19日のロンドン五輪2次予選クウェート戦で先制点を決めた地。ロンドン五輪4強へのスタート地点となった場所で再びゴールを決め、今度はW杯への扉に手をかける。【福岡吉央】