<コンフェデレーションズ杯:日本3-4イタリア>◇1次リーグA組◇19日◇レシフェ・ペルナンブコアリーナ

 日本代表FW岡崎慎司(27=シュツットガルト)が、堅守のイタリアから一時は同点となる鮮やかなヘッド弾を突き刺した。2-3で迎えた後半24分、MF遠藤保仁(33)のFKを巧みに頭で流し込み、国際Aマッチ34点目を奪取。先制点となったPKも、諦めない姿勢で呼び込んだ。日本が誇る「侍ストライカー」が世界へ向けて強烈に存在感を示した。

 この瞬間のために、嗅覚を研ぎ澄ましていた。1点ビハインドの後半24分だ。MF遠藤のFKの弾道に合わせるようにニアに走り込むと、181センチの相手選手より早く跳び、首をねじりながら頭で合わせた。「僕にマークがガッツリつくわけじゃなかったので、ニアに入ればいけるかなと思った。それで決められた」。点取り屋の真骨頂だった。

 魂を込めて走り抜いた。前半20分、相手DFがGKにバックパスしたところに諦めずに詰めると、GKブフォンの反則を誘って先制点となるPKを奪取。その後もMFピルロに激しくチャージを仕掛けると同時に、後半37分にはポスト直撃のシュートを放った。最後までイタリアを脅かした。

 世界の舞台への飢えが原動力だった。16強進出を遂げた10年W杯南アフリカ大会。日本国内が熱狂に染まる中で、満足できない自分がいた。1次リーグ第3戦デンマーク戦で得点したが、控えから抜け出せず「得点も(本田)圭佑のおかげ。あの大会は何もできなかった。あの悔しさを忘れたことはないです」と言う。

 だから、1年後の本大会では自分のゴールで、プレーでチームを上位に導きたいという強い思いがある。この日はイタリアに善戦したが、結果は敗退。国際Aマッチ得点時の不敗神話も「22」で途切れた。「今日のような結果はW杯でも起こりうる。自分たちが良いサッカーをしても、結果的に負けという。勝つために頭を使わないと。もう1歩が足りない」。10年W杯の悔しさ、そしてコンフェデ杯の教訓。岡崎は全てを糧にして、さらに大きくなる。【菅家大輔】

 ◆日本がW杯優勝経験国から3得点以上

 W杯を制したことのある8カ国との通算対戦成績は、36試合3勝7分け26敗と大きく負け越しているが、1試合3得点以上は96年8月25日の親善試合ウルグアイ戦(長居)で5-3と勝って以来2度目。負けはしたものの、公式戦では今回のイタリア戦での3得点が最多記録。また、堅守を誇るイタリアから3得点以上は、12年7月1日の欧州選手権決勝で、現在FIFAランク1位のスペインが4得点(0失点)して以来。

 ◆日本が3得点以上で敗戦

 Aマッチでは、34年5月20日の極東大会中華民国戦(3-4)、54年5月1日のアジア大会インドネシア戦(3-5)に次いで59年ぶり3度目。