<親善試合:日本2-0ナイジェリア>◇26日◇フクアリ

 なでしこジャパン(FIFAランク3位)がナイジェリア(同32位)に快勝し、年内最終戦を白星で飾った。前半21分にMF宮間あや(28=岡山湯郷)がPKで先制し、同28分にMF阪口夢穂(25=日テレ)が頭で追加点を挙げた。7月の東アジア杯はチームがかみ合わず3連覇を逃し、今回のナイジェリア戦2試合は計41人を招集。多くの若手を試して結果も出した。W杯予選を兼ねる来年5月のアジア杯へ、チームは再び上昇し始めた。

 なでしこが、既存の選手と新戦力の融合をテーマにかかげた2試合を連勝で締めくくった。7月の東アジア杯2位で悔し涙を流した宮間主将は、この日は笑顔。「どちらの試合も東アジアより共通意識が多く持てた」と、チームのまとまりに手応えをつかんだ。

 前半に宮間と阪口の得点で先行した。荒々しくボールを奪いにくる相手に手を焼いたが、18歳の左DF上野が持ち味を出した。前半10分、思い切り良くペナルティーエリアに飛び込んで右足シュート。後半10分にも惜しいクロスを上げた。上野と交代した24歳DF薊(あざみ)や、U-19と掛け持ちのFW田中美も貴重な経験を積んだ。今回の合宿ではミーティングを徹底し、チームの決まり事を浸透させたことが大きかった。

 ナイジェリアとの第1戦に勝利した22日には、巨人が優勝した。佐々木監督は「ウチの紙面がなくなっちゃったんだよ。辰ちゃん(原監督)もう、タイミング悪いって言っておいてください」と苦笑いしていたが、今度は楽天の優勝とぶつかる間の悪さだった。それでも来年5月に始まるW杯アジア予選へ、はずみのつく2連勝に、同監督は「まだチームに色がついていない。色をつけるために新しい選手が必要」。さらなる若手の台頭に期待し、チームづくりを進める。【千葉修宏】