<国際親善試合:日本3-2ベルギー>◇19日(日本時間20日)◇ブリュッセル

 初心に戻ったMF香川真司(24=マンチェスターU)が、復活のきっかけをつかんだ。中盤でチャンスメークする場面が多かったが、守備時にも必死に食らいついた。ハーフライン付近から前線へショートカウンターを仕掛け、技で相手を置き去りにする場面もあった。スタメンから後半37分にMF細貝と交代するまで、息を切らすことなく、がむしゃらに走った。

 「10月の2連敗が効いた。そこで感じたものがある。みんなでもう1度チャレンジしようと言ったし、僕はもっと前線からプレッシャーをかけようと思っていた」。持ち味の攻撃力だけでなく、やや苦手とする守備でも貢献する覚悟でピッチに立った。その気持ちが実り、自ら得点は挙げられなかったが、鮮やかな逆転劇につながった。

 7カ月後のW杯にも手ごたえをつかんだ。「今日はチームとしてうまく連動していた。特にパスを何本もつないだ3点目は、(今後に向けての)自信にもなる。これを継続していけばいいと思います」。黒子に徹したが、香川から攻撃のリズムが生まれたのは事実。フォア・ザ・チームの精神が、復活のカギとなった。