日本代表のハビエル・アギーレ監督(56)が、将来性豊かな若手FWを新戦力としてリストアップした。日本協会は8日、アジア杯オーストラリア大会(来年1月9日開幕)の予備登録50人を発表。アギーレ体制で未招集の若手FW永井謙佑(25=名古屋)、宇佐美貴史(22=G大阪)、宮市亮(21=トウェンテ)、南野拓実(19=C大阪)らが入った。今月中旬に発表予定の最終登録23人に入る可能性は低いが、4年後を見越したリストとなった。

 アジア杯優勝、そして18年W杯ロシア大会に向けた強化も見すえ、万全を期したメンバーがリストに記された。永井、宇佐美、宮市、久保、南野。アギーレ監督は「代表の扉は常に開いている」との言葉通り、未招集の若手FW陣が5人も予備登録に入った。

 特に、高速ウインガーの宮市、ロンドン五輪で日本を4強に導いたスピードスター永井は今の日本代表にいないタイプのFW。日本は技術の高い選手は多いものの、苦境に陥った際に速さや高さで流れを変える「飛び道具」を持つ選手が少ない。ベストの状態ならば、この2人の速さは強烈な武器となるはずだ。

 アギーレ監督は6日、浦和-名古屋戦で埼玉スタジアムを訪れた際に「最終登録の23人も、決まっていないのは1~2人」と明言。現時点で、ほぼメンバーは固まっている模様だ。サプライズは極めて難しい状況ではあるが、今月中旬に発表予定の最終登録23人は予備登録メンバーの中から選出されるため、「逆転選出」の可能性は残る。

 中盤にU-21代表で主将のMF大島、DFには同代表主力の植田も名を連ねた。指揮官は「アジア杯ではタイトルを取りに行く。アジア杯のみにエネルギーを注ぐ」と強調するように、現時点での最大の目標はアジア杯の2連覇だ。だが、来年6月からは長丁場のW杯アジア予選もスタートするだけに、アギーレ監督はアジア杯で勝利にこだわると同時に、「未来予想図」も描いている。【菅家大輔】