日本代表のFW本田圭佑(28=ACミラン)が、阪神・淡路大震災から20年を迎えた17日、被災地に思いをはせた。大阪府摂津市で育ち、震災時は小学2年生だった。祖父母に育てられた本田は、当時の記憶を生々しく覚えていた。「(自宅は)揺れたどころじゃなかった。食事の用意をしていた祖母が、僕が寝ているところに走って来て抱きかかえてくれたのを覚えています。真っ暗で怖いも何も分からなかった」

 ろうそくの光で朝ご飯を食べたことが、今でも忘れられない。神戸に比べると大阪はまだ被害が少なく、自宅も崩壊を免れた。それでもたくさんの犠牲者が出たことは、幼心に大きな傷痕を残した。

 「命を落としてしまった人がたくさんいる。日本は自然災害が多いですし、こういう節目の日に、忘れがちなものを思い出すきっかけになればいい。それが自分の仕事とか生き方、日々の行動に生かされれば、日本は素晴らしい国になる」

 故郷関西へ、日本へ。今大会を勝ち抜くことが、本田に課された任務になる。前日16日のイラク戦は2戦連発のPK弾で、1次リーグ2連勝。アジア2連覇、史上初の2大会連続MVPで、日本に歓喜を届ける。【益子浩一】