横浜MF喜田拓也(21)が「一員の自覚」で、リオデジャネイロ五輪本大会でのメンバー入りを目指す。27日、チームの沖縄合宿3日目の練習後に、U-23(23歳以下)日本代表が同五輪アジア最終予選を突破したことについてコメント。「僕らの世代は世界を経験していないとか、弱い世代とか言われてきた中で、五輪出場を決めてくれた。評価をいい意味で覆す結果だと思う。チームに関わってきたものとしてうれしい」とうなずいた。

 14年1月の手倉森ジャパン立ち上げ時から、メンバーに名前を連ねていた。昨年10月末の練習試合鳥栖戦で、本職と違うサイドバックでテストされている最中に、左足首を負傷。全治6週間と診断され、最終予選のメンバー入りは果たせなかった。

 それでも喜田は「U-23日本代表の試合は常に見ていました」と言う。

 「世代の一員、チームの一員という自覚を持たないといけないと思っています。ドーハに行っていないから関係ないわけじゃない。自分だったらどうする、といつも問い掛けながら試合をみている。だから試合は全部見たし、見ることで自分を奮い立たせてきた」。

 大会中も、DF岩波やFW鈴木が連絡をしてきて、チームの様子を知らせてくれていたという。同世代みんなが手倉森ジャパン。そういう意識を共有できた。

 「一体感、団結力がこの世代の強み。U-17W杯では自分も帯同して、8強まで行きましたけど、あの時も前評判が低かった。でもチームのまとまりを武器に、決勝トーナメントまで行った。今回も評価が低かった。準備段階からとんとん拍子に進んでいたら、このような結果にはならなかったと思う。苦しんだからこそ、チームが1つになる大事さを再確認できた。本当にいいアジア予選だったと思います」。

 今回は離れていたが、チームの一員。だからこそ「まだチームの力になれていない。だからこそ、本大会こそチームに入って貢献したい」と強く思っている。

 「必要なことはシンプル。しっかり試合に出て、いいプレーをする。それを続けていれば、見てもらえている。もちろん、代表のためだけにプレーするわけではない。足元を見つめて、ちゃんとやっていれば、自然と代表も見えてくる。横浜はレベルが高い。ここでちゃんとできていれば、自信がつく。そう、大事なのは自信ですかね。それを確固たるものにできれば」。

 遠いドーハで歓喜に沸く「同志」の姿に、胸を熱くした。たぎる思いを、新シーズンにぶつける。