<アジアCL:水原(韓国)4-1鹿島>◇11日◇1次リーグ◇G組◇韓国・水原

 Jリーグ王者鹿島がアウェーでの「日韓王者対決」で4失点の屈辱的な大敗を喫した。1次リーグ初戦で韓国Kリーグ王者の水原と対戦。前半終了間際の2分間に2失点を喫し、後半37分、同ロスタイムにもゴールを許した。終了間際に1点を返したが、1-4で敗れた。公式戦90分間で4失点以上は07年8月のG大阪戦以来、68試合ぶり。初のアジア制覇へ厳しいスタートとなった。

 試合終了のホイッスルが鳴り響くと、GK曽ケ端が、MF小笠原がぼうぜんと立ち尽くした。1-4の惨敗-。DF内田は「アジアを取るチームじゃないよね、4失点は。サッカーの怖さ、厳しさという感じかな」。そこにはJリーグ王者の面影はなかった。

 あっという間の2失点が勝負を決めた。こう着状態が続いた前半44分にFKからのこぼれ球をDF李瑋鋒に押し込まれると、直後のロスタイムにFWエドゥーに追加点を奪われた。MF本山も「取られそうな感じじゃなかったから、2点目が痛かった」と悔しがった。

 後半に入るとFW田代、MF小笠原を立て続けに投入し、反撃をしかけたものの、逆に手薄になった守備を突かれて2失点。後半ロスタイムのFWマルキーニョスの得点も焼け石に水だった。曽ケ端が「いい手応えはないですね」と厳しい表情で振り返った。

 昨季のACLもアウェーで2敗を喫した。小笠原は「球際を怖がっている。アウェーだとJリーグではありえないパスやトラップのミスが出る」と話し、DF岩政も「1つ1つの球際のプレーで勝てなかった」と口にした。激しいボールの奪い合いの際の、一瞬のためらいが勝負を分ける厳しさをあらためて痛感した。

 ゼロックス・スーパー杯のG大阪戦、リーグ開幕の浦和戦を完勝しただけに、想定外の完敗。「負けて引き締まることはない。勝って勢いに乗った方がいい。ここでズルズルいかないように立て直すことが大事」と小笠原。悲願のアジア制覇へ18日のホーム上海申花戦は絶対に勝利が求められる戦いになる。【菅家大輔】