<アジアCL:鹿島5-0ペルシプラ・ジャヤプラ(インドネシア)>◇24日◇1次リーグ◇F組◇カシマ

 鹿島は序盤は苦しんだが、昨年10月17日のリーグ磐田戦以来、約5カ月ぶりに公式戦先発したFW大迫勇也(19)の2試合連続ゴールなどで5-0で大勝。3連勝で同組首位をキープし、次節にも1次リーグ突破が決まる可能性が出てきた。

 ゴールへの執念むき出しに飛び込んだ。3-0のリードで迎えた後半23分、DF内田の右からのクロスに反応した大迫はペナルティーエリア中央に走り込み、左足でだめ押し点を奪取。「ゴール?

 とにかく結果を出せたことはよかった」と控えめに振り返った。

 ゴールが欲しかった。約5カ月ぶりの公式戦先発。不慣れな3トップの中央に位置し、主将のMF小笠原の「真ん中で勝負しろ」との指示を体現した。下がってボールに触りたい欲求を封印して我慢したから、20日のリーグ大宮戦に続く2戦連続弾が生まれた。

 昨年3月中旬からルーキーで定位置をつかみ、華々しく注目されたが、中盤から失速。終了間際に途中出場した試合後、悔しそうにうつむく姿が見受けられた。そんな時、先輩DF岩政の「こういう時に自分の将来のため、しっかり練習できるかどうかが大事」という助言が胸に染みた。「(岩政)大樹さんは、いつも気をつかってくれて感謝しています」。昨季終盤から今季のここまで、出番がなくても気持ちを切らさず練習に励んだ。まさに「我慢」が結果につながった。

 気温5・2度。冷たい雨が降りしきる中、MFフェリペガブリエルが右ひざ負傷で長期離脱、MF中田が出場停止という状況で、格下相手に序盤は苦戦した。大迫も「もっと点を取るチャンスはあった」と話したように、鹿島が放ったシュートは37本。日本代表FW興梠が不発に終わるなど決定力に課題は残ったが、確実に勝ち点3をつかんだ。

 この日の勝利で、30日の第4節ペルシプラ・ジャヤプラ戦で早々と1次リーグ突破の可能性も浮上した。「最後に点を取れてよかったけど、次はリーグ戦(27日、山形戦)があるので、そこで頑張りたい」。若き背番号9がゴールを積み上げれば、その先の定位置も見えてくる。【菅家大輔】