<アジアCL:G大阪3-0シンガポールAF>◇31日◇1次リーグ◇G組◇万博

 「浪速のアンリ」ことG大阪FW平井将生(22)が、ホームのシンガポールAF戦で公式戦3戦連続ゴールを決めた。1-0の後半10分に右足で流し込み、3-0の勝利に貢献。前半に決定機を外し西野朗監督(54)からハーフタイムに雷を落とされたが、会心のゴールで期待に応えた。今季公式戦ホーム初勝利を飾ったG大阪は、3年連続のACL1次リーグ突破へ王手をかけた。

 阿波おどりのパフォーマンスを披露したのは、徳島県出身のFW平井だ。後半10分、MF佐々木からパスを受けると、右足で追加点を奪う。公式戦3戦連続弾はG大阪を1次リーグ突破に近づける大きな一撃だ。「監督にきつく言われた。ちょっとびっくりした。ゴールは決めても満足できない」と結果を出しても襟(えり)を正した。

 ハーフタイムに西野監督の怒号がロッカールームに鳴り響いた。「FWはもっと動け。チャンスをつくっているだけで満足しているんじゃないか。決めてないと意味がないんだ」。普段はダンディーで冷静な指揮官が怒りに震えたが、その10分後に結果を出した。

 西野監督と二人三脚で決定力アップに励んだ。連日、居残りでシュート練習を実施。「お前はシュートが、オレより下手だな」。きつい言葉を浴びせられたが、期待に応えようと、必死にボールを蹴り続けた。指揮官は平井に対し「貪欲(どんよく)という言葉がヤツには必要。決めたことで満足してはダメ。まだ評価は高いものではない」とあえて厳しい言葉を選んだ。

 G組2位を守り、次節14日の水原三星戦(万博)で勝つか引き分けで1次リーグ突破が決まる。平井は「この前、播戸さん(C大阪FW)からメールをもらった。FWはゴールを決めた後の試合は一番大事だと。その通りと思います」。2年ぶりのアジア王者へ、鍵を握るのは「浪速のアンリ」だ。【奈島宏樹】