ホーム開幕戦となったJ3盛岡は、富山と引き分けた。

 盛岡が価値ある「勝ち点1」をホーム開幕戦で挙げた。昨季J2の富山に大健闘。富山のシュート数3本に対して盛岡は11本。特に後半は再三得点機をつくり、相手を圧倒した。得点と今季初勝利こそ逃したが、0-1で敗れた前節福島戦から見違える動きで、今後へ期待を抱かせた。

 J3昇格2年目の今季は前線の守備からボールを奪い、スピーディーな攻撃につなげるサッカーにチャレンジ。福島戦はそれができずシュート数3本に終わった。この日は1トップから2トップにするなど選手の配置を変えて臨んだ。最後まで衰えない運動量とともに3-5-2のシステムが機能した。

 「達成感までいかないが充実感はある」と鳴尾直軌監督(40)。2トップのFW益子、吉岡が守備でプレッシャーをかけ、益子は前半3本のシュートも放った。GKには25歳の田端を初起用。落ち着いたプレーをみせた。試合終了とともに選手たちは「足の筋肉がぎりぎり」とアピール。鳴尾監督はこの言葉に「手応えを感じた」という。

 益子は「勝ちたかった。でもこうして少しずつ積み上げていけば」と明るい表情。MF谷村は「いいかたちができ、チームとしてやりたいことができた。無失点も大きい」と手応えを強調。地元サポーターに白星はプレゼントできなかったが、鳴尾監督は「結果を届けていきます」と前を見た。【北村宏平】