3バックが起爆剤!? 今日25日にアウェー広島戦を控え、清水の大榎克己監督(50)は24日、DFラインに3バックを採用する可能性を明かした。この2日間の完全非公開練習でテストし、複数失点が続く守備陣をてこ入れした様子。練習後、1つのオプションとして3バックを導入するプランを口にした。3バックを敷く広島と同様のフォーメーションをぶつけるという大胆な采配も想定しながら、勝ち点3を奪いにいく姿勢だ。

 失点を減らすため、大榎監督は大胆な「秘策」を練っていた。今季公式戦の守備は4バックを採用してきたが、広島戦に向けた2日間の完全非公開練習は3バックの新布陣をテストしたようだ。試合で採用するかは流動的だが、同監督は「フォーメーションで変わったことをしようかな」とニヤリ。指揮官の頭の中には昨年の9月27日の大宮戦以来となる「3-6-1」の新システムで勝負する選択肢があるようだ。

 清水は22日のナビスコ杯仙台戦で勝利し、クラブワーストの公式戦連敗記録を7で止めた。ただリーグ戦に限れば2戦連続3失点と守備が不安定。DF犬飼智也(21)と三浦弦太(20)も故障離脱中と、センターバックの手薄さも新布陣テストのきっかけになった。守備時には5バック気味になるため、ディフェンス人数が増える形となる。

 大榎監督を含めたスタッフ陣は第5節の名古屋-広島戦を入念に分析。広島と全く同じシステムで臨んだ名古屋が相手の両サイドを広く使った攻撃を封じ込め、カウンターから2得点を奪った内容を参考にした。指揮官は「ミラーゲームのようなことをして、はまっていた」と、広島の弱点を見極めたようだ。

 ただし成熟度の高い広島のシステムに対し、わずか2日間の練習で対応できるかは未知数。大榎監督は「ある意味、賭けみたいなところはあるから」と慎重な姿勢を示した。新布陣がリーグ4連敗を止める起爆剤となるか-。大榎監督の手腕に注目が集まる。【神谷亮磨】