山形が横浜に完封勝ち、ホームで今季2勝目を挙げた。後半7分、守備の要DF西河翔吾(31)が、左CKを頭で押し込み先制。終盤に押し込まれながらも粘りを見せ、相手の反撃をしのぎきった。5戦で2分け3敗と苦しんだ4月が終わり、反転攻勢の5月が始まった。

 ねじ込んだ。後半7分、左CKからだった。横浜DF中沢のマークを頭1つ抜け出した西河が、こん身のヘディングシュートを決めた。これがJ1通算3得点目、山形では通算8得点目(J2含む)。3月22日の第3節川崎F戦以来、41日ぶりの白星は、守備の要がもたらした。

 西河 (DF)當間が僕をフリーにしてくれたおかげ。合わせるだけだった。点をとる選手じゃないし、意識していない。チームが勝ってくれたことが何よりうれしいです。

 「本職」でも力を発揮した。前節清水戦では前半だけで3点を失った。中2日の間に、失点シーンを集めた映像を分析。FKやスローイン後のリスタート場面の対策に時間を費やした。「人任せにしないようにした。前の試合を生かせたと思う。苦しかったが、今日のように粘り強く守れば1-0で勝てる試合も出てくる」。山形を8本上回る14本のシュートを浴びながらの完封勝ち。守備陣の立て直しにも手応えをつかんだ。

 光明は見えつつある。第1ステージ9試合を消化し、2勝2分け5敗で折り返し地点を迎えた。前節までは先制された試合はすべて負けていたが、清水戦で終了間際の10分で3点を奪って引き分けに持ち込んでから、粘りが出始めた。西河は「(前節の)勝ち点1が、今日の勝ち点3につながった」。石崎監督も「崩されてやられるのは仕方ないが、イージーなミスで失点しないようにできた」。中3日で迎える次節新潟戦も突破して。反転攻勢の5月にする。【高橋洋平】