東京の日本代表FW武藤嘉紀(22)が、2得点の活躍で甲府を下し、決勝トーナメント(T)進出に王手をかけた。前半41分に同代表DF森重真人(28)の右クロスを左足で合わせて先制。終盤に一時追いつかれるも、後半49分にはゴール前で押し込み、勝ち越し点を奪った。この勝利でA組1位をキープ。次節広島戦(27日)で勝てば1次リーグ突破が決まる。

 武藤が悪い流れを断ち切った。後半49分、DF太田のFKに飛び込んだゴール前混戦。左シュートをブロックされるも、左膝で押し込んだ。終盤に追いつかれる逆境で奪った勝ち越し点。「リーグ2連敗して全員で切り替えられたから、前を向いて最後まで戦えた」。前半41分にDF森重の右クロスを左足で合わせた鮮やかな左足先制点に続く2点目。後半40分に追いつかれても下を向かず、武藤らしく泥臭く公式戦3試合ぶりの勝利に導いた。

 マインツから正式オファーを受けるなど、海外移籍が注目される中で「東京の試合に集中したい」と、クラブ側との移籍に関する話を一時封印。この日も去就には「まだ何も決まっていない」と控えた。ただ、同杯A組首位をキープし3年ぶりのベスト8に王手をかける一方で、今夏移籍となれば準々決勝は不在。「優勝させたい」というリーグ戦同様に、カップ戦でも決勝T進出の置き土産を残す。