C大阪の元ウルグアイ代表FWフォルラン(36)が日本に別れを告げた。ホーム徳島戦は勝利。観客席から見守った英雄は試合後、退団セレモニーで仲間らに感謝し、今度はC大阪の監督として再び日本へ戻ってくることを希望した。

 スーツ姿のフォルランが、ピッチで8回宙に舞った。試合後のセレモニー。仲間から胴上げで送り出された。桜色で包まれた1万1332人のサポーターからも、温かい拍手と大声援が送られた。

 「私はセレッソサポーターだけでなく、日本全国のみなさんに声援を送っていただいた。こんなに大好きになったC大阪を去ることは残念だが、心の底から仲間たちの昇格を願っています!」。日本で過ごした約1年半で愛情はどんどん深まり「できればC大阪の監督として日本に戻ってきたい」とコメントした。

 新入団の昨季はJ1で26試合7得点。10年W杯南アフリカ大会で得点王とMVPを獲得した英雄は、クラブ新となる1試合平均2万1627人の観客動員を呼び込んだ。FW柿谷(現バーゼル)ら人気若手選手が在籍したとはいえ、“セレ女”と呼ばれる女性サポーターが練習場にも訪れる社会現象になった。

 だがJ2降格となり、推定6億円という破格の年俸も、クラブにとって契約を更新できない理由となった。今季ここまで16試合10得点と得点ランク2位の活躍をしていただけに、戦力的には痛い途中退団だ。

 主将のMF山口から花束を受け取り、場内を1周した。「サッカーはいい状況ではなかったけど、出会った人たちは本当に良かった」。背番号「10」のユニホームを着てゴールを決めるパフォーマンスもあった。移籍先については「(母国)ペニャロールに一本化している」。新たな目標は「ペニャロールでクラブW杯に出場して、日本に帰ってくる」。今日、帰国の途につくフォルランのサッカー人生は、まだまだ終わらない。【小杉舞】