J3の藤枝は富山に敗れ、3連敗を喫した。先制を許したが、前半34分にMF富井英司(27)の今季初得点で同点に追いついた。しかし後半は相手に押される展開が続き、3失点を許した。今季ホームでは9戦勝ちなしと苦しい状況が続いており、シーズン後半戦へ立て直しが急務となる。

 エコパスタジアムに駆けつけたサポーターに向けて、藤枝の大石篤人監督(38)が謝罪の言葉を口にした。試合後のあいさつでマイクを手に「申し訳ありません」と頭を下げた。チームは17試合でわずか3勝にとどまっている。

 またもホームで勝てなかった。1点を追う前半34分、MF越智亮介(25)のパスを受けた富井が左足でミドルシュートを放つと、相手GKの手をかすめながらゴールネットを揺らした。前半こそ1-1で折り返したが、後半8分に再び失点。その後はミスからボールを失う場面が多く、失点を重ねた。今季の総得点は8点で、J3の全13チームの中で最少得点。この日もシュート数は17本と、相手の13本を上回りながら、決定力を欠いた。今季初得点を挙げた富井は「みんな、自分が決めるという気持ちを持たないといけない。プロという形なので、覚悟を持ってやる」と話した。

 もっとも、シーズン後半戦に向けて、明るい兆しもある。大卒ルーキーDF中村宏輝(23)は、2度の左太もも裏肉離れから復帰し、初先発を果たした。「勝負どころで守りきること、決めきることが大事。勝ち点を積み重ねたい」と前向きだった。大石監督は「サッカーが盛んな静岡で、この結果はダメ。見ていて面白く、勝つサッカーをしたい」と立て直しを誓った。【保坂恭子】