2点差を守れず、9戦ぶり黒星-。J2札幌は首位大宮に敗れた。前半14分にFW古田寛幸(24)の今季初得点で先制し、同23分にMF前寛之(19)が追加点を挙げるも、前半42分、後半15分と30分に連続失点し逆転を許した。5月9日熊本戦以来2カ月ぶりの黒星。ホームでは4試合勝ちなしとなった。8勝10分け4敗で勝ち点は34から伸ばせず、順位は前節6位から7位に落ちた。

 良い意味でも、悪い意味でも若さが出た。札幌の布陣は、今季最年少の先発平均22・45歳。首位大宮相手に2点をリードしながら、前半41分に中盤でのつぶし役として奮闘していたMF深井が左膝を痛め交代すると、流れが変わった。

 直後の42分に失点すると、後半は地力のある大宮に押し込まれ、連続失点で2-3。勝ち点ゼロの結果に、バルバリッチ監督は「深井の負傷後、中央でつぶしていたところで時間をつくられ、そこからサイドを使われた。彼の穴を埋められないまま後半が進んでしまった」と振り返った。

 後半戦のポイントとして指揮官は「大事なのは若手の(好不調の)波をいかに抑えていくか」と挙げていたが、前半41分までプラスに働いた若さ、勢いは、残り時間で暗転した。先発11人で25歳以上はFW内村とMF宮沢の2人だけ。河合、稲本らベテランの欠場を受け、フレッシュな布陣で臨んだが、まだ首位の圧力をはね返す力はなかった。

 内村の交代後、キャプテンマークを巻いた26歳の宮沢は「もったいないゲーム。深井がケガした後や、リスタートの集中力。そういうところが足りない。チームとして改善したい」と課題を挙げた。序盤でリードした力は、今後への収穫でもある。次節は稲本の復帰が濃厚。手痛い失敗から学んだ若手を、ベテランの経験で統率し、出直しを図る。【永野高輔】