広島DF塩谷司(26)が、悔しさを晴らす先制弾を挙げ勝利に導いた。

 敵地の新潟戦で0-0の後半15分、FW浅野とのワンツーで右サイドを切り崩し、最後は左足の強烈ミドルを蹴りこんだ。「はっきり言ってまぐれです」。今季3点目は、勝ち点3を引き寄せる貴重な1点となった。

 6月に右足関節を負傷。約2カ月離脱を経て、8月12日の鹿島戦で復帰した。しかし、そこから第2ステージ5連勝を飾っていたチームは、2連敗を喫した。「自分が戻ってから連敗してしまっていた。正直、今節はスタメンを外れると思った。今日の試合に全て懸ける気持ちで入った」。並々ならぬ覚悟があった。

 離脱中、8月初旬に日本代表は、国内組で臨む東アジア杯があった。この代表発表の記者会見で、日本代表ハリルホジッチ監督は、右サイドバックについて話しているとき塩谷の名前を挙げた。「ケガしてなかったら、代表に入っていたのかなとも思った。でも次の代表で呼ばれるように、Jリーグの試合でアピールするのが一番近道」。

 同杯では、右サイドバックをU-22(22歳以下)日本代表の湘南DF遠藤が2試合務めた。「いい刺激になった。下の世代の子が出てきて、自分も負けないように努力して高めていかないといけない」と、悔しさをバネに再び代表入りを目指す。

 これでチームは、首位鹿島と勝ち点1差の2位。年間も首位浦和に勝ち点3差の2位と優勝争いを繰り広げている。「今日の試合はもう忘れて、次に向かっていい準備をする」。さらなる目標に向かって、塩谷の挑戦は続く。