柏が敗退のピンチに立たされた。ホームで広州恒大(中国)に完敗した。13年大会の準決勝でも2戦合計1-8と大敗した相手に、返り討ちにされた。第2戦は9月15日に広州で行われるが、逆転4強入りには最低でも3得点し、2点差以上をつけての勝利が必要となった。

 柏にとってリベンジの舞台は、再びつらく険しいものとなった。前半5分、相手左サイドからのFKをDF鈴木が頭でオウンゴール。同40分には、ブラジル代表でトットナムから移籍してきたMFパウリーニョに中央30メートルから豪快なFKを決められる。そして後半も、クロスに競り負けて3点目を奪われた。

 終了間際に工藤のゴールで1点を返したとはいえ、問題は守備だった。14位に低迷したJリーグ第1ステージから修正したはずのセットプレーに対する守りが再びほころんだ。“決戦”の重苦しい雰囲気が、選手たちから普段通りの動きを奪っていった。鈴木は「流れの中からやられていないのはプラスかもしれないけど、力でねじ伏せられているともいえる。ただ、ポジティブにとらえるならセットプレーは修正できる。今すぐにやりたい」と第2戦へ、前向きにとらえた。

 2戦合計1-8と大敗した2年前も、第1戦をホームで1-4と落とし、アウェーの第2戦で攻撃に出たところを逆襲されて0-4と完敗した。その苦い記憶がよみがえる。その時もMF大谷主将が第1戦は出場停止で不在で、第2戦もケガで欠場していた。くしくもこの日、大谷が足に張りを訴えてベンチ外。そのインサイドハーフに18歳のDF中山が起用されたが、つながりを欠いた攻撃陣は前半、シュート0本だった。

 吉田達磨監督(41)も無念さを隠せない。「ホームで1-3は非常に悔しい。でも最後の1点を第2戦につなげるためにも悔しいだけで終わらせず、戦えるという手応えをもって、アウェーの地にいきたい」と唇をかみしめながら話した。【千葉修宏】