J2札幌MF小野伸二(35)が、明日5日の天皇杯2回戦横浜FC戦で、今季公式戦初先発することが濃厚となった。札幌・宮の沢での3日の紅白戦で、同杯先発を想定したメンバーに入りプレーした。先発すれば、昨年8月25日のJ2栃木戦以来376日ぶり。状態は徐々に上向いておりアピール次第で、同じ横浜FCと対戦する12日のリーグ戦でも、先発する可能性が出てきた。

 完全復活への青写真が見えてきた。この日の紅白戦で小野は3-5-2のトップ下でプレー。約1時間半のトレーニングを問題なく消化し「足の痛みもないし、違和感なくやれた」と手応えを口にした。シュート練習でも、2トップでの先発濃厚なナザリト、宮沢とコンビを組み、入念にゴール前での連係を確認。1年ぶりの先発へ準備を整えた。

 天皇杯とはいえ相手の横浜FCは、12日のリーグ再開初戦の相手でもある。四方田監督は「次のリーグ戦のメンバーは今週末の試合(天皇杯)を見て決まる」と話しており、この一戦の内容次第で、今度はリーグ戦の先発復帰も見えてくる。小野自身も「勝てばJ1と対戦できるチャンスができる。結果にこだわりたい」と前を見据えた。

 段階を踏み、ようやく本調子に近づいてきた。8月29日の天皇杯1回戦札幌大戦では、今季最長となる30分間出場。攻撃の起点として新人進藤の初得点をお膳立てした。この試合に30歳以上で出場したのはGK杉山と小野の2人だけだった。他のベテラン勢はコンディション回復のため欠場も、状態を上げるため、あえて大学生相手の公式戦に臨み、アピール。「次も楽しみながら勝ちにいきたい」と意気込んだ。

 今季は6月29日の大分戦で初出場も、3戦目の7月8日大宮戦出場後に左膝を再度痛めて離脱した。約1カ月戦列を離れた後、8月15日の岡山戦で再復帰後、横浜FC戦が今季最長となる4戦連続の出場となる。左膝の不安はついて回るが、今週は状態が良化した証拠に、札幌大戦まで「(負担による)ケガ予防のため」と巻いていた左太もものテーピングを外した。苦しみながらも徐々に上向いてきた35歳。まずは天皇杯で助走をつけ、リーグ戦への勢いをつかむ。【永野高輔】