J3藤枝はJ1清水に逆転勝ちし、クラブ初の3回戦進出を決めた。2点を追う前半24、28分にエース大石治寿(25)が得点。同点で迎えた後半は、MF枝本雄一郎(27)の2ゴールで金星を挙げた。一昨年は清水に、昨年はJ2磐田と、同県に所属する格上に敗れていたチームは「三度目の正直」で番狂わせを起こした。

 藤枝が勢いそのまま押し切った。2点を追う前半24分、左クロスをFW大石がダイレクトで合わせて1点差。「チームを勢いづけられた」と話したエースは同28分に最終ラインの背後を突き、相手GKをあざ笑うかのようなループシュートでネットを揺らした。

 後半は前がかりになった相手の隙を突いた。同24分に右サイドを崩すと、MF枝本が右足ダイレクトで合わせて勝ち越し弾。40分には再び枝本がダメ押しの4点目を突き刺し、勝負を決定づけた。枝本は「最初から勝つつもりでやっていた」。試合後はがっくり肩を落とす清水イレブンを横目に、数十人のサポーターと喜びを分かち合った。

 初出場した一昨年は清水に0-2で完敗。昨年もJ2磐田に0-2で敗れた。この日清水がリーグ戦からスタメンを総入れ替えしていたとはいえ、同県に所属するライバルから「三度目の正直」で初勝利。大石は「ジャイアントキリングの意味がわからない。カテゴリーは違うが、同じサッカー選手。勝てると信じていた」と胸を張った。

 試合後、大石監督は「たまたま勝ったと言われないよう、次も頑張りたい」と先を見据えた。次戦はJ1山形が相手。今の藤枝には格上連破するだけの勢いが十分ある。【神谷亮磨】