来季残留が決まっているJ2札幌MF小野伸二(36)が、“三年目の正直”でのJ1昇格を約束した。今季は開幕前に左膝半月板を損傷、手術し、公式戦復帰は6月末。以後17試合2得点と攻撃陣の核となったが、目標のプレーオフ(PO)進出は果たせなかった。27日、札幌市内のクラブ事務所で1回目の契約更改交渉に臨んだ小野は「この悔しさを生かし、来年は必ずJ1に上がりたい」と、3年目の来季、勝負をかける。

 苦しんだ2シーズンを糧にする。昨季はケガで7試合無得点。今季も2月26日の練習試合で左膝を負傷、初出場は6月29日大分戦だった。「調子がいいときにケガをする。来季は、そういうときに気を抜かないよう努めたい」。ボールを蹴っていると、疲労や小さな痛み、違和感を忘れ、夢中になってしまう。サッカーが「好きすぎる」資質は、天才的プレーの源であり、負傷の一因でもあった。勝負の3年目は、体の声に、しっかり耳を傾ける腹づもりだ。

 無得点の昨季に比べ、今季は10月4日東京V戦で初得点、続く10日金沢戦では4年ぶりの2戦連発も決めた。POをかけた終盤戦は、最終節まで9戦連続先発し、攻撃をけん引した。「最後の方で自分らしさを出せた。チームとしての底上げはできたし、これを来季も生かせれば」。ピッチで得た自信を、来季は熟成させ、J1という結果につなげる。

 12月4日までチーム練習に加わり、イベント出演など行事が終わり次第、本州に移動。海外には出ず、国内での自主トレを予定している。「手応えはつかんだ。少しゆっくりして、あとはキャンプインからイメージ通り動けるよう準備したい」。札幌では初の開幕戦先発へ、残り2カ月、しっかり照準を定め、仕上げていく。【永野高輔】